一生家賃を払い続けるといくらになるかを計算します。 そして買った場合は、いくらのローンを組み、いくらの利息を支払うのかも計算してみます。
その両方を比べて、支払い総額でローンの方が多ければ、賃貸物件に住み続けてもいい、ということになります。 また反対に、家賃の支払い総額の方が多ければ、ローンを組んで利息を払ってもマンションを買ったほうがいい、ということになります。
これは、マンションを購入する時期や年齢や払っている家賃などの条件が人それぞれで異なっていますから、まずは計算して支払い総額を算出してみないと何ともいえません。 もう一つ、老後の生活設計をどう考えているか、ということがあります。
老後の生活設計は年金でと考えている人は、三十歳を越えた時点で二度、十分に暮らしていけるかどうかを、検証してみるといいでしょう。 年金収入だけでは、都心で家賃を払って生活していくのは難しいということが分かると思います。
だからこそ、賃貸で住み続けるという人は、年金収入以外にも貯金をしなくてはなりません。 どれくらいかというと、今三十五歳の人が、定年後六十歳から八十五歳まで賃貸で暮らしたとして、二十五年間で毎月平均九万円の家賃を払うとします。
物価の上昇率が年間二パーセントの低成長が二十五年間続くと仮定して、今でいえば五万円台の、ワンルームかアパートに住んでいるのと同じ感覚で、ゆとりや満足度は低いと思います。 それでも六十歳から八十五歳まで二十五年間に、約二七OO万円の家賃を支払う可能性があります。
六十五歳から支給される年金収入は女性の場合、平均月々二一1一三万円と考えられますが、ここから家賃を払ってしまうと、その残りの三1四万円から電話代や水道光熱費がさらに差し引かれます。 生活費として残るのがせいぜい一ー二万円程度では、食べていくのも難しく、とても老後は安泰とはいえないと思います。
ですから、家賃として支払う分は年金とは別枠で考え、定年までに貯金しなければならないということです。 そして、定年から年金支給開始の六十五歳までの五年間の無支給期間と、万が一の病気や事故を考えて一000万円は用意しておかないと、安心して老後を暮らせないと思います。

ですから、合計三七OO万円くらいは、六十歳までを目標に貯めておかなくてはなりません。 これが出来る!という人は、賃貸でもいいと思います。
一方、マンションを購入するという人は、とにかく定年の六十歳までにローンを完済させることが、第一条件です。 マンション購入のための住宅ローンは、シングル女性の場合二0001二五OO万円が一般的です。
仮に二000万円の住宅ローンを三パーセントの金利で借りて、二十年で返済すると、ローンの利息が約六六二万円かかりますから、支払い総額はだいたい二六六一一万円。 それから、同じく六十歳までに、万が一のときと無収入期間の備えとして一000万円の貯金を準備したとします。
こうすれば、六十歳の時点でローンの返済と、家賃の支払いがなくなるのですから、年金収入だけでも老後の生活は十分に賄えるはずです。 家賃で払う金額を、マンションの住宅ローンとして支払っていく。
であれば、家賃をただ払っておしまいというのではなく、つまり、自分が自分の大家さんマンションという形のあるものとして残せるのです。 これを私はグマンション貯金。

と呼んでいます。 住みながら、現在「捨てている」ような家賃分のお金を、住宅ローンという形に変えて払っている、と考えてみてください。
家賃を払いながら三五OO万円を貯金していくことよりも、ラクだということは、お分かりいただけると思います。 現在の金利でマンションを買った場合、賃貸の場合の支出とほぽ同額です。
どちらが得かというと、どちらも同じ。 賃貸なら更新料がかかりますが、購入すれば固定資産税がかかります。
さまざまなパターンでシミュレーションしてみると、住宅ローンの借入時三パーセント前半の金利であればほぽ同額が必要になります。 四1五パーセントの金利だったり支払い期間が長くなると、六十歳までの支出額は購入した方が大きくなります。
ところで、家賃には支払うことに「終わりがない」という特徴があります。 定年を迎え給与収入がなくなっても、家賃は死ぬまで払わなければなりません。
私の両親を見ていても感じるのですが、ある程度年齢がいくと、女性は同じ年齢の男性よりも元気な気がします。 特に独身の女性の場合、定年を迎えた頃になっても、同年齢の方々よりも精神的にも体力的にも若々しいようです。
だから、六十歳代や七十歳代になったからといって、老人ホームへ行くという人は非常に少ないと思います。 多くの人は、定年を迎え収入が年金だけになったとしても、賃貸に住んでいる以上は家賃を払っていかなくてはならないことになります。
一方、ローンは、支払うことに「終わりがある」という特徴があります。 三十年のローンを組めば、三十年で払い終わります。
実際には三十年のローンを組んでも、ほとんどの人は三十年間払い続けていることはありません。 繰り上げ返済をして十五ー二十年で払い終わっているのが普通です。
特に独身の女性の場合は、最初から繰り上げ返済を考、えて、マンションを購入するべきです。 それぞれの時期にもよりますが、支払う額が同じだとすると、精神的に楽なのは購入してローンを六十歳までに払い終わっている方だと思います。

まだ、自分の給与収入があるうちに住みながら払う方が楽ではないでしょうか。 六十歳を越えても支払いが続く賃貸の場合、九十歳まで生きたらどうしよう、百歳まで生きたら、と精神的な負担があります。
だから、敢えて損得をいうならばマンションを購入した方が精神的に楽な分、お得だと私は思います。 かといって誰もかれもマンションを買った方がいい、というわけではありません。
なかには、親の家をもらえるという人もいます。 また、結婚をして相手の親と同居するから相子の実家に住んでもいい、という人もいます。
そうした様々な理由から、マンションを買う必要性がない人もいるからです。 私の講座に参加いただいている人は、もちろん、みなさんマンションの購入に関心があるのですが、やはり向き不向きがあるようです。
だいたい参加者の三分の一はマンション購入の必要性があり、かつ向いている人です。 三分の一はマンションを買うのに向いていない人で、自分で購入するのではなく、親の家をもらったり等の方法で住む家を確保すべき人です。
そして、残りの三分の一はどちらでもない、状況によって変わるという人達です。 では、どういう人がマンションを買うことに向いているのでしょうか。
まず、現在もしくは将来、家賃を払うことになる人。 そして、家賃を払うことをもったいないと思う人は、マンションの購入に向いている人です。

家賃をもったいないと思うか、払わなくてはならないお金だから当然、と思うかでは、大きな違いがあります。 金額的にどうのこうのという問題ではなく、考え方の問題です。
もったいないと思う人は、マンションを買う必要があり、かつ購入に向いている人です。 私は、人生のなかで、また支出のなかで家賃ほど大きな比重を占める一番の無駄遣いはない、と思っています。
ですからぜひ、自分のマンションを持っていただきたいと思うのです。 住宅ローンは、ローン(借金)を背負った、と考えるのではなく、「マンション貯金を始めた」と考えてほしいのです。

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